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メリーさんは巷で言われているような意味での娼婦ではなかった
今週の水曜日に拙著『白い弧影 ヨコハマメリー』が発売された。
いくつかの店ではフライングして月曜日から店頭に並べていたようだ。

さて。
じつは皆さん、メリーさんの物語には食傷気味ではないだろうか?
しかし『白い弧影』は、メリーさんの物語を語り継ぐ本ではなく「語り直す」本だ。
つまり従来のメリー物語とは、一線を画している。

概略を書いてしまおう。

メリーさんは巷で言われているような意味での娼婦ではなかった。
娼婦が変わった格好をしていたのではない。
変わった格好をしていた女が、自分の望む外観で居続けるために、娼婦という職業を選びとったのだ。

会社勤めをするなど、雇われ人でいるとあの格好で居続けらない。
個人事業主であれば服装は自由だが、都市という劇場に居続けない限り大勢の人の目にはとまらない。
あの姿を大勢の人に見てもらうために、彼女は路上に立った。街娼として。
娼婦であれば、自分の好きな衣装を着たまま仕事が出来る。
彼女はある種の「アウトサイダー・アーチスト」だったのだ、というのがこの本の骨子だ。

個人的に気になっているのが将校の扱い。
ここで反感を買う恐れがある。

本のなかでは、将校を「あくまでも横浜の人の願望なり空想なりが形になったもの」としている。
ここにはハマッ子の夢や願望が込められていたのだろう。

では彼女はなぜあのような生き方を選んだのだろうか。
それは『白い弧影』を読んで欲しい。
説得力のある説明が出来ていると思う。

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