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黄金町はあと3年でアートの町ではなくなる
「黄金町バザール2014」のプログラムの一環として、8月30日(土) 午後4時から高架下のスタジオ、Site-D において、黄金町に5年間仕事場を借りている小説家・阿川大樹氏と風俗街浄化後の黄金町で最初にバーを開店した佐藤シンジ氏のトークショーが行われた。

会場にはおよそ20名くらいの熱心な観客がいた。

正直な話、トークの内容は凡庸で新しい情報はほとんど明らかにされず、刺激的とは言いがたかった。
しかしこのイベントの感想をまとめた togetter がすごいことになっている。

トークイベント「ちょんの間から大岡川を見つづけて」
Bar The Outsiders 店主・佐藤シンジ & 小説家・阿川大樹のまとめ - Togetterまとめ
http://togetter.com/li/713334


何より衝撃的なのは、アーチストであるのと同時に町内会のメンバーでもある「中の人」阿川氏が、黄金町がアートの町という特殊な形態でいるのは一過性のものであり、最終的には「普通の町」に移行することを前提にしている、とポストしたことである。

<「アートの町」なのに、どうりでパブリックアートを置かないわけだ>

<だから長途半端な施策ばかりなのか>

と反響が上がった。

「アートの町」になった現状に関しても賛否両論だが、さらに「普通の町」に移行するという青写真が、まるでリークするかのごとく提示されたわけだ。

「アートの町」から「普通の町」への移行は、高架下のスタジオが減価償却を終えた時点で行われるようだ。減価償却は10年に設定されている。最初に「黄金スタジオ」が建設されたのが2008年。
期限を迎えるのは2017年だ。

黄金町のスタジオ郡はおおよそ3期に分かれて建設されているため、2017年以降、三つの段階を経て縮小していくものと思われる。

ある日を境に一晩で町が変わることはない。
しかしあと3年程度で終わりの始まりがやってくる筈だ。

スタジオがなくなった後は、「アート」に投資した税金を回収するためマンションを建てて住民を増やし、税金の増収でもって税の回収に充てるそうだ。
黄金町の可能性に夢を見た人たちは、裏切られた格好になる。
「アートの町」という大風呂敷は、行政のブラフだったわけだ。

いくら「黄金町を風俗の町に後戻りさせない」という決意があるにせよ「町を白紙にして一から出直す町づくり」と現代アートは本来は相反するもの。
現代アートの肝は批評性であって、臭いものに蓋したり、浄化するためのツールには向いていない。

そのアートと「町の気風を白紙化する試み」を両立させようという黄金町の方向性は、前提からして論理が破綻している。
で結局アートはあと3年位したら段階的に縮小させる訳だ。
総括するとどんな意味性が残るんだろう?



黄金町の歴史と現状をおさらいしよう
横濱 | comments(1) | trackbacks(0)
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2か月以上前のエントリーにコメントつけるのもアレだとは思うけどさ…

アート@黄金町の最初の段階,桜荘出来るさらに前,
まだ「アーティスト・イン・レジデンス(AiR)」ってワードが
そんなに広くは認知されていなかった頃,

「家賃が安いからアーティストが多くする地域」って,

方向性として,あるいはもっと具体的なヴィジョンとして,
“関係者”間では,それなりに認識されてたと思うのですわ。

かつてのソーホーとか,あるいは,欧州の,都市圏ちょい郊外の
アーティスト・ヴィレッジ的な,「アーティストが多く生活している地域」。
旧商業地域リノベーションとしての,あるいは元々の,居住用地域。


そこに,手段としてのAiR,しかも,地域交流必須(!)なヤツが,
既定路線的に扱われはじめ,「アートイベントの町」色が強くなり…

…という流れと認識。


つーか,5年以上前から,あのあたりでの酒の場では
それなりに話に出てた記憶 >居住地域化/非商業地域化
現実としてマンション建設プチラッシュが起こってたわけだし。
“彼ら”が新規参入店舗とは協力したがらないこととのカラミで,
当時,檀ちゃんとも何度か話した記憶あるぞ私は。笑。


まとめも読んだ。お疲れさま。

Aさんの発言は,それ自体はなかなか興味深いんだけど,
立ち位置と,“予防線”がな…。しかも,対(以下自粛

やはり,恰幅さんに一票。正当な問題提起だと思うわ。

つーか,いい感じに,問題の所在が表出してきてるな…
Posted by D | 2014/11/21 6:25 PM

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