「香港版ヨコハマメリー」(『再遇瑪麗皇后』)のあらすじ紹介

転載:art-mate.net

先日お伝えした通り「香港版ヨコハマメリー」こと『再遇瑪麗皇后』(『瑪麗皇后』の再演版)が去る7月15〜8月1日まで配信されました。

『再遇瑪麗皇后』の情報
http://yokohama-mary.net/?eid=359

『瑪麗皇后』(初演)の情報
http://yokohama-mary.net/?eid=344#sequel

本来は昨年香港で再演されるはずだったのですが、コロナで上演中止。
僕は見に行くつもりでいましたが、願いは叶いませんでした。



しかし結果として自宅に居ながらにして鑑賞することが出来たのですから、「結果オーライ」という所でしょうか。
(英語と中国語の字幕があったので、むしろ助かりました……! 舞台版でも字幕は出たようなのですが、配信だと一時停止出来るので字幕を追うのに便利です)

タイトルの「瑪麗」ですが、メリーの音訳で「マーライ」と発音します。

元次郎さんも登場しますが、やはり中国語読みでした(「●●ジロ」と発音していましたが、聞き取れず)

キャストが15名から4名へと大幅に削減されるなど、舞台初演版と異なる箇所もありますが、大筋において内容は同じ筈。
今回は日本語圏で初めて『再遇瑪麗皇后』の内容をご紹介します。

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香港 | comments(0) | -
京急線「立会川」駅前に存在した「"昭和元禄”時代の慰安所」

▲進駐軍向けの慰安所の一つ「安浦ハウス」(横須賀)の前で列を作る米兵

日本が戦争に負けた1945(昭和20)年。品川区の大森海岸(現在の第1京浜沿い)に「進駐軍兵士向け慰安所第1号」として、「小町園」が開かれたことはよく知られている。

目的は一般の婦女子への性被害を防ぐためである。
娼婦だけで人員が揃えば良かったのだが、誰もが敬遠して頭数が揃わない。

そこで新聞に広告を出し、食い詰めた女性たちを集めて娼婦に仕立て上げた。
連日押しかけたGIたちが狼藉の限りを尽くしたため、「小町園」はこの世の地獄に変貌。GHQからの通達により、わずか半年足らずで閉鎖してしまった。

それから約10年経った1959(昭和34)年10月4日づけの「週刊読売」に興味深い記事がでていたので紹介したい。

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東京 | comments(0) | -
日本から見られるか? 「香港版ヨコハマメリー」が7/15〜8/1まで配信
昨日見つけたのですが、「香港版ヨコハマメリー」が来月からオンライン配信されるようです。
正式なタイトルは『再遇瑪麗皇后』で、日本語にすれば『再会 メリー皇后陛下』といったところでしょうか。

同作品は2018年11月に初演された『瑪麗皇后』の再演です。

初演の情報:http://yokohama-mary.net/?eid=344#sequel

ただし詳細が分からず、日本から見られるか不明です。

告知サイト

https://www.youth.gov.hk/en/cultural-and-leisure/activities/detail.htm?content-id=2400427§ion=CLA


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香港 | comments(0) | -
映画「ヨコハマメリー」の撮影マナー違反(ラストシーン撮影の裏側)について
映画『ヨコハマメリー』で最も印相に残るシーンと言えば、撮影隊とシャンソン歌手の元次郎さんがメリーさんの故郷の老人ホームで慰問を行うシーンだろう。

このシーンがなかったら、同作の評価は急落するにちがいない。

このシーンの撮影に関して、中村監督はいくつかの裏話を披露している。
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考察 | comments(0) | -
映画「ヨコハマメリー」リバイバル上映のお陰で、拙著『白い孤影』にも光が…? 
映画「ヨコハマメリー」リバイバル上映のお陰で、メリーさんに言及する人が増えているようだ。
ビデオや配信でいつでも観られるはずなのだが、映画館のスクリーンは別格と言うことなのかも知れない。

そんな訳で、拙著『白い孤影』にも光が当たっている(はずだ。そう思いたい)。
そこで拙著に言及した tweetを集めてみることにした。
(「今更かよ!」というツッコミは控えるように……!)



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宣伝 | comments(0) | -
ヨコハマメリー・アウトサイダー・アーチスト説に対する紀要論文
甲南大学文学部教授の服部正先生に、「ヨコハマメリー・アウトサイダー・アーチスト説」に関する論考を寄稿していただきました。

この「メリーさんアウトサイダー・アーチスト説」は答えこそ出ないであろうものの、議論を戦わせる上で楽しいテーマだと思うのですが、反応ゼロ。
拙著の読者層とのミスマッチが、埋めがたく露呈する結果となりました。
はぁぁ。

この「メリーさんアウトサイダー・アーチスト説」は、2015年に参加した「みちのくアート巡礼CAMP」でいっしょになった村上愛佳さんの「自由な女神」がアイデアの源泉の一つでした。

https://www.asahi.com/articles/ASK7N3CHVK7NUQIP00Q.html

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横濱 | comments(0) | trackbacks(0)
錦糸町の黒いメリーさん
「出版あるある」だが、本を出してから情報を集まってくることがたびたびある。せっかく一段落ついたところだったのに、あとから新発見がある訳だ。そうすると、せっかく関係津したはずの調査が完結しなくなる。

メリーさんに関するリサーチはまさにこれで、いままで何度も「これで終わった」と思ったのにも関わらず、その都度新情報がもたらされ、ずるずるとやめどきを見失っている。

さて、リサーチ好きなネット民であれば知っていたのかも知れないが、2000年代から2010年代初頭にかけて錦糸町に「黒いメリーさん」と呼ばれる老女がいたそうだ。

いや、もしかしたらまだいるのだろうか?

自分へのメモも兼ねて、三つの記事を揚げておきたい。
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考察 | comments(0) | -
老女専門キャバクラを描いた『その女、ジルバ』

横浜は大阪よりも巨大な370万人もの人口を抱える大都市だ。

にも関わらず、存在感が薄い。

その理由はオリジナリティー溢れる文化を発信出来ていないことにある。


実際「横浜らしいお土産」とか「食べ物」といった単純なものにさえ共通イメージがないことからも、「巨大な稀薄ゾーン」であると言えてしまうと思う。

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考察 | comments(0) | -
『箱の中の天皇』にもメリーさんが!
さきほど教えてもらったのだが、話題のベストセラー小説『箱の中の天皇』(赤坂真理)にメリーさんが出てくるという。

これがまた実に重要な役割で、舞台は山下公園前のホテル・ニューグランド。
自ら「皇后陛下」と名乗り「メアリ」と呼ばれているそうだ。

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考察 | comments(0) | -
文豪・谷崎潤一郎とメリーさんの点と線
昨年12月に『白い孤影 ヨコハマメリー (ちくま文庫)』を出しましたが、実はこのテーマ、取材継続中です。

とりあえず中間発表のような形で『昭和の謎99』(2019年初夏の号)という雑誌(正確にはムック)に寄稿しました。

【ヨコハマメリーは文豪・谷崎潤一郎の「作品」だった!?】

昭和の謎99 2019年初夏の号 (ミリオンムック 8)
大洋図書 (2019-04-08)売り上げランキング: 17,116

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考察 | comments(0) | -

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